二宮町エリアガイド|小さな町を歩くと、景色が少しずつ変わっていく

小さな町なのに、歩いてみると景色がこんなに変わる

前回の記事「二宮町に住む前に知っておきたい10のこと」では、二宮町全体の特徴について、良いところも不便なところも含めてご紹介しました。

今回は、もう少し町の中へ入ってみたいと思います。

 

二宮町の面積は約9平方キロメートル。とても小さな町ですが、不動産の仕事で日々町内を走り回っていると、この小さな町の中でも場所によってずいぶん景色が違うことに気づきます。

 

二宮、山西、中里、富士見が丘、松根、百合が丘、緑が丘、一色、川匂。

それぞれに地域の名前があり、もちろん特徴もあります。

 

ただ、「中里は買い物が便利」「山西は自然が豊か」「富士見が丘は高台」と一言で分けてしまうと、実際の二宮とは少し違います。

 

例えば、スーパーやドラッグストアなどが集まる中里でも、県道から少し入れば住宅地になり、きれいな小川が流れ、緑を感じられる場所があります。

駅北口から吾妻山の麓を西へ向かえば、坂を下った先に畑が広がる風景もあります。

 

二宮の町は、地域の境界を越えた瞬間に景色が変わるわけではありません。歩いているうちに、少しずつ町の表情が変わっていきます。

 

今回は、地図上の境界線ではなく、実際に町を歩いたときに感じる景色の変化を追いながら、二宮をご紹介してみたいと思います。

 

 

 

なぜ、小さな二宮でこれほど景色が変わるのか

二宮の景色に変化があるのは、町の地形や成り立ちと関係しています。

 

南には相模湾があり、そのすぐ内側には吾妻山をはじめとする丘陵があります。その間を川が流れ、平坦な場所には昔からの市街地があります。

 

さらに、高台には後から開発された住宅地が広がり、そのすぐ近くには今も畑や農地が残っています。

 

駅、海、山、川、住宅地、商店、畑。

 

これらが離れた場所にあるのではなく、約9平方キロメートルの町の中に近い距離で存在している。

だから少し移動するだけで、景色が変わるのだと思います。

 

二宮のエリアを考えるとき、この「近さ」を知っておくと、町の見え方が少し変わってきます。

 

 

 

二宮駅から、町を歩いてみる

二宮町を知るなら、まず二宮駅を起点にすると分かりやすいと思います。

 

面白いのは、同じ二宮駅でも北口と南口で少し雰囲気が違うことです。

 

町が大きく広がっているのは北口側です。

駅を出ると居酒屋やラーメン店、コンビニなどがあり、時間帯によっては人の出入りもあって多少の賑わいがあります。そこから北口商店街を抜けて、町はさらに北へと続いていきます。

 

 

 

一方、南口へ出ると雰囲気はもう少し静かです。

住宅地があり、その先には海があります。

 

小さな駅ですが、どちら側へ降りるかで、最初に見える二宮の表情が少し違います。

ここから、それぞれの方向へ歩いてみましょう。

 

 

北へ。商店街を抜けると、町の景色が変わる

二宮駅北口から商店街を歩いていくと、やがて県道にぶつかります。

その交差点の近くにあるのが、生涯学習センター「ラディアン」です。

 

私は、この交差点付近が二宮の景色がひとつ切り替わる場所だと感じています。

駅前から続いてきた商店街や住宅地の景色から、県道沿いの生活圏へ。

 

県道を中里方面へ進んでいくと、少しずつ商店が増えていきます。

 

 

 

スーパー、ドラッグストア、飲食店など、日々の生活に必要なお店が集まっているのはこの辺りです。

二宮へ初めて来た方から、「駅前にスーパーがないんですね」と言われることがあります。

確かに駅前にはありません。

 

二宮では、駅前よりも中里周辺に日常の買い物を支えるお店が集まっています。

ここは、実際に暮らしてみないと少し分かりにくいところかもしれません。

 

 

 

中里は「買い物が便利」だけではありません

中里を紹介するとき、どうしても「二宮町の中では買い物が便利な場所」という説明になりがちです。

それは間違っていません。

でも、それだけでもありません。

県道から少し入れば、すぐに住宅地になります。

 

 

さらに場所によっては、きれいな小川が流れ、緑が残る静かな風景があります。

 

商店が並ぶ道路からそれほど離れていないのに、「こんな場所があったんだ」と感じることがあります。

 

私は、こういう距離感が二宮らしいと思っています。便利な場所と自然のある場所が、きれいに分断されていない。

 

少し道を外れるだけで、町の表情が変わります。

 

 

県道から少し入ると、今度は静かな住宅地へ

県道から高台へ向かえば、松根や富士見が丘があります。

 

一方、そのまま県道を中里方面へ進み、その先へ向かえば百合が丘や緑が丘へつながっていきます。

この辺りまで来ると、先ほどまでの県道沿いとは対照的です。

 

基本的には戸建て住宅が中心で、住宅地の中には商店がほとんどありません。

 

買い物をするときは県道方面へ出て、家に戻れば静かな住宅地で過ごす。暮らす場所と買い物をする場所が、ある程度分かれています。

 

 

そして、一口に「高台の住宅地」と言っても、それぞれ雰囲気は違います。

富士見が丘には坂があり、その高低差があるからこそ、場所によって富士山や海を望むことができます。

 

百合が丘は比較的ゆとりを持って開発された住宅地で、広い区画も多く見られます。

 

緑が丘は、道路や区画が整った街並みが特徴で、富士見が丘や百合が丘とは坂の感じも違います。

 

松根は富士見が丘に隣接しながら、駅方面にも中里方面にもアクセスしやすい住宅地です。

 

地図で見ると近接している場所ですが、実際に車で走ったり歩いたりすると、街並みも坂の程度も違います。

 

富士見が丘や百合が丘の坂を「大変」と感じるか、その先にある景色や住環境に魅力を感じるか。

ここは人によって大きく分かれるところです。

 

だからこそ、地図や物件情報だけで判断せず、一度現地を歩いてみてほしいと思います。

 

 

西へ。坂を下った先に、畑の景色が広がる

今度は二宮駅北口から、吾妻山に沿うように西へ進んでみます。

 

そのまま坂を上がって下って釜野地区へ入っていくと、景色が変わります。

 

目の前に畑が広がり、住宅地を歩いていたときよりも、急に空が大きく感じられるようになります。

私は、この景色の変化が好きです。

 

車なら、ほんの数分の距離です。

それなのに、駅周辺とはずいぶん違う風景になります。

 

 

吾妻山の裾野には、町民が利用できるふれあい農園があります。季節によっては農産物の無人販売所を見かけることもあり、農のある暮らしが今も日常の中に残っています。

 

「自然のある場所に住みたい」と聞くと、駅からずいぶん離れた場所を想像するかもしれません。

でも二宮の場合、駅周辺の住宅地と畑のある風景が、それほど遠く離れていません。

これも町がコンパクトだからこその面白さです。

 

 

南へ。歩くにつれて海が少しずつ見えてくる

今度は二宮駅の南側へ向かってみましょう。

南口から袖ケ浦海岸へ向かって歩いていくと、北側とはまた違った景色になります。

 

私が好きなのは、最初から海が目の前いっぱいに見えるわけではないところです。

海へ向かって歩いていると、建物の間から少し海が見えてくる。

 

さらに進むと、その海が少しずつ大きくなり、海岸へ近づくにつれて視界が開けていきます。

海が近づいてくるあの感じには、何度通っても少し高揚感があります。

 

 

二宮には海水浴場がありませんし、サーフカルチャーが根付いた町でもありません。

夏になると大勢の観光客が押し寄せるような海でもありません。

 

だから二宮の海は、どちらかというと暮らしの中にある海です。

 

 

散歩をしたり、海を眺めたり、釣りをしたり。

湘南という言葉から想像する華やかな海とは少し違いますが、この静かさを気に入って二宮を選ぶ方もいます。

 

 

東へ。松並木が見えてくると、大磯を感じ始める

二宮から東へ進んで国道沿いに松並木が見えてくると、私は少しずつ大磯に近づいてきたことを感じます。

 

さらに進むと、趣のある建物も目につくようになります。

当然ですが、町境を越えた瞬間に景色が突然変わるわけではありません。

 

二宮から大磯へ向かって、少しずつ町の空気が変わっていきます。

 

普段は何気なく通っている道ですが、改めて景色を見ながら走ってみると、隣り合う町の個性が少しずつ現れてくるのが分かります。

 

行政上の境界線より先に、景色の方が「そろそろ大磯だな」と教えてくれるような感覚があります。

 

 

さらに北へ行けば、また違う二宮があります

二宮町は、駅周辺と住宅地だけではありません。

さらに北へ向かえば一色があり、田畑や緑の残る風景が広がっています。

 

西側の川匂にも、昔からの集落や畑などが残っています。

 

町の中心から車でそれほど走っていないのに、「同じ二宮町でも、こんなに景色が違うんだ」と感じる場所があります。

 

ただ、ここでも「一色=自然」「川匂=田舎」と単純に分けてしまうと、少し違います。

 

住宅もありますし、道一本で景色が変わる場所もあります。だから私は、二宮の地域を色分けして説明することに、少し難しさを感じます。

 

それぞれに特徴はあるけれど、その境界は曖昧で、少しずつ重なり合っている。

それが実際の二宮に近いと思います。

 

 

「二宮のどこがおすすめですか?」と聞かれたら

不動産の仕事をしていると、

「二宮なら、どの辺りがおすすめですか?」

と聞かれることがあります。

 

でも、これは意外と答えるのが難しい質問です。

毎日電車で通勤するなら、駅まで歩きやすい場所が便利でしょう。

 

買い物のしやすさを重視するなら、中里周辺が候補になります。

眺望や静かな住環境を大切にするなら、高台の住宅地が合うかもしれません。

 

海や山、畑のある風景を日常の中に置きたいなら、また違う場所があります。

どこが一番良いということではありません。

 

私たちがお客様に物件をご紹介するときも、単に「人気のエリア」をおすすめするのではなく、その方がどんな毎日を送りたいのかをできるだけ聞くようにしています。

 

家を選ぶことは、そこで過ごす毎日を選ぶことでもあるからです。

 

 

 

物件を見るときは、少しだけ遠回りしてみてください

これから二宮で家を探す方に、地元の不動産屋として一つおすすめしたいことがあります。

気になる物件を見たら、家だけを見て帰らずに、その周辺も少し歩いてみてください。

 

駅まで実際に歩いてみる。買い物へ行く道を走ってみる。一本裏の道へ入ってみる。坂があるなら、自分の足で上ってみる。時間があれば、海や吾妻山にも寄ってみてください。

 

そして、できれば一度だけではなく、時間を変えて見てみることもおすすめします。

平日の朝と休日では違いますし、昼と夕方でも町の雰囲気は変わります。

 

不動産広告に書かれている「駅徒歩○分」「スーパーまで○m」だけでは、その場所での暮らしはなかなか見えてきません。

 

特に二宮のような小さな町では、道を一本入っただけで景色が変わることがあります。

そうやって少し遠回りをしながら町を見ているうちに、

「この辺りの雰囲気、なんか好きだな。」

と思える場所が見つかる。

 

私は、家そのものと同じくらい、その感覚を大切にしてほしいと思っています。

二宮は約9平方キロメートルの小さな町です。

 

でも、実際に歩いてみると、思っている以上にいろいろな表情があります。

物件だけではなく、ぜひ二宮という町そのものを見に来てください。