【二宮くらし③】~丘の上で、無理をしない暮らしを選ぶ 「cielo cafe 」~

二宮町「百合が丘」の丘の上。

空が広く、ゆったりとした時間が流れる場所に、「cielo cafe(シエロカフェ)」はあります。

営業日は週に数日。

決して多くはありません。

けれどそこには、無理をしない暮らしの中で、自然と生まれた“場”がありました。

今回は、cielo cafeを営む松崎知子さんに、二宮での暮らしとお店についてお話を伺いました。

 

 

はじまりは、実家の移住から

宮戸

まず最初に、二宮での暮らしとの関わりを教えてください。

 

松崎さん

一番のきっかけは、実家の家族が先に二宮に移住してきたことですね。

15年くらい前に、両親と弟家族が百合が丘に引っ越してきて。

もともとは、実家の移住先を探していたのが始まりでした。

景色が良くて、少しゆったり暮らせる場所を探していて、

三浦とか湯河原とか千葉の方まで、家族みんなで見に行って。

その中で、百合が丘の土地に出会って、

「ここでしょ」って、全員一致でした。

 

宮戸

ご家族みなさんで決めた場所だったんですね。

 

松崎さん

そうですね。

当時はまだ、自分たちが住む町とは思っていなかったんですけど。

 

 

実家で始めた、小さなカフェ

宮戸

そこから、関わりが深まっていった。

 

松崎さん

はい。

その実家で、月に1回くらいカフェをやるようになったんです。

 

宮戸

自宅でカフェを。

 

松崎さん

そうです。景色がすごく良くて、「これ、カフェやらないともったいなくない?」って。

私がお菓子を作って、弟がコーヒーを淹れて、みんなでやる感じで。

それで、毎月通うようになったのが始まりでした。

 

宮戸

最初からカフェをやることも考えていたんですね。

 

松崎さん

そうですね。

住んでからやろうというより、設計の段階から「できるようにしておこう」と思っていました。

この景色があれば、やりたくなるよねっていう感じでした。

 

 

 

通ううちに、「住みたい」に変わっていく

宮戸

もともとは横浜にお住まいだったんですよね。

 

松崎さん

はい。横浜のマンションに住んでいました。

すごく便利で快適でしたし、

景色も良くて、生活としては満足していたんですけど。

 

宮戸

でも、何か違った。

 

松崎さん

そうですね。

近所の人と関わることもほとんどなくて、

友達もいなくて。

だんだん「このままでいいのかな」って思うようになっていました。

 

 

宮戸

そこから、二宮との関わりが増えていったんですね。

 

松崎さん

はい。

実家でカフェをやるようになって、最初は通う場所だったんですけど。

だんだん頻度も増えていって、

週1くらいで来るようになっていました。

 

宮戸

かなり通ってますね。

 

松崎さん

そうですね(笑)

7年くらい続けていたので、

その中で自然と知り合いも増えていって。

なんとなく顔なじみになって、

気づいたら友達みたいになっていて。

 

宮戸

いいですね。

 

松崎さん

「二宮っていい人しかいないよね」っていう感覚があって。

それがすごく大きかったです。

 

宮戸

その中で気持ちも変わっていった。

 

松崎さん

はい。

気づいたら「ここに住みたいな」と思うようになっていました。

 

宮戸

横浜での暮らしと、だいぶ違いますね。

 

松崎さん

そうですね。

二宮に来ると、人と自然に話すことがあって、

それがすごく楽しくて。

気づいたら、横浜にいる時間よりも、

こっちにいる時間の方が楽しみになっていました。

 

 

 

暮らしを変えるという決断

宮戸

ご主人との温度差はなかったんですか?

 

松崎さん

ありました(笑)

いろんな場所に行っては「ここに住もうよ」って言ってたので、

最初は全然相手にされなかったんですけど。

 

宮戸

(笑)

 

松崎さん

でも、東海道線なら通えるとか、

駅まで送り迎えするよとか、

そういう話をずっとしていて。

少しずつ、「二宮なら現実的かも」ってなって。

 

宮戸

口説き落とした感じですね。

 

智子さん

そうですね(笑)

気づいたら、ここに来ていました。

 

 

 

無理をしない働き方

宮戸

今の営業スタイルは意図的なんですか?

 

松崎さん

そうですね。

自分たちの生活を一番にしたいので、無理をしない範囲でやっています。

 

宮戸

週に数日だけ開ける、という形ですね。

 

松崎さん

はい。

誰かを雇う予定もないですし、

できる範囲で、気持ちよくできることだけ。

 

宮戸

もっと営業日を増やそうとは思わないですか?

 

松崎さん

言われることはあります(笑)

でも、無理してまでやりたくはなくて。

趣味もありますし、友達とも過ごしたいし。

「誰のためのカフェでもない」という感覚があって、

自分たちが楽しく暮らすことが一番なんです。

 

 

 

「百合が丘」という場所

宮戸

百合が丘に住んでみて、どんな場所だと感じますか?

 

松崎さん

すごく好きですね。

ちょうどいい、っていう感じです。

土地も広くて、空も広くて、ゆったりしていて。

 

宮戸

たしかに、百合が丘って特徴的ですよね。

神奈川県内だと、これだけの広さと価格のバランスが揃っている場所って、なかなかないなと思っています。

 

松崎さん

そうですね。

広さのわりに、手の届きやすさはあるなと感じます。

 

宮戸

はい。

100坪前後の土地が、2,000万円前後で手に入るエリアって珍しくて、

同じ予算だと湘南エリアだと30坪くらいが一般的なんです。

 

松崎さん

そう聞くと、やっぱりこの広さは贅沢ですよね。

 

宮戸

そうなんです。

この広さがあるからこそ、暮らしの自由度が高いのも魅力だなと。

 

松崎さん

それはすごく感じます。

実際に住んでみると、この余白がある暮らしっていいなと思います。

 

宮戸

坂はありますけどね。

 

松崎さん

そうですね(笑)

でも、それも含めて気持ちいいです。

通勤さえ問題なければ、

二宮の中でもおすすめしたい場所です。

 

宮戸

不便さは感じますか?

 

松崎さん

あまりないですね。

車があれば困らないですし、

スーパーもあるし、インターも近いので。

 

 

 

二宮での暮らしの魅力

宮戸

二宮で暮らしていて、どんな瞬間が好きですか?

 

松崎さん

ちょっと外に出るだけで、誰かに会うんです。

スーパーに行ったら知り合いがいて、

帰り道でもまた誰かに会って。

 

宮戸

わかります。

 

松崎さん

「ちょっと出ただけなのに、何人にも会ったね」っていう、

あの感じがすごく好きですね。

あと、山が見えて、海が見えて、富士山が見えて。

夕方になるとチャイムが鳴って、

町内放送で「鹿が出ました」って流れたり(笑)

 

宮戸

いいですね(笑)

 

松崎さん

そういう何気ない日常が、一番楽しいです。

 

 

 

つながりから生まれる場

満月の夜にだけ開かれる「満月・宮酒ワインバー」。

宮川酒店との企画として、この場所で不定期に開催されています。

 

 

宮戸

満月の日のイベントもやられていますよね。

 

松崎さん

そうですね。

でも、最初からやろうと思っていたわけではなくて。

人とのつながりの中で、自然とそうなった感じです。

 

宮戸

自然発生的に。

 

松崎さん

はい。

気づいたら人が集まって、またつながりができて。

「何かをやろう」というより、

流れの中で形になっていった感じですね。

 

 

 

「ゆるい」という言葉の違和感

宮戸

よく「二宮はゆるい」と言われますけど、そのあたりはどう感じますか?

 

松崎さん

そこはちょっと違和感があって。

「ゆるいからいいよね」って言われることもあるんですけど、

サボっているとか、楽しているという意味では全然なくて。

毎日なんだかんだ忙しいですし、

お店を開けるために買い物に行ったり、仕込みをしたり、

やることはたくさんあるので。

 

宮戸

なるほど。

 

松崎さん

ただ、ガツガツしないというか。

無理をしない範囲でやっている、という感覚ですね。

 

宮戸

外から見るとゆるく見えるけど、

中身はすごく地に足がついている感じがしますね。

この町で暮らしている人に、どこか共通する感覚なのかもしれません。

 

 

 

 

続けるために大切にしていること

宮戸

今の暮らしやお店を続けるために、大切にしていることは?

 

松崎さん

無理をしないことですね。

儲けたいわけでも、バズりたいわけでもなくて、

自分たちが気持ちいいことだけをやる、という感じで。

「その分、できる範囲での暮らしにはなりますけど、

それがちょうどいいと思っています」

 

 

宮戸

その「ちょうどよさ」を自分たちで決めている感じが、すごくいいですね。

 

 

 

 

無理をしないことから生まれるもの

広い空の下で、無理をしない暮らしを選ぶ。

その延長線上に、「cielo cafe」はありました。

特別なことをしているわけではなく、

ただ、自分たちのペースで日々を重ねていくこと。

その積み重ねが、結果として、

人が集まる“場”をつくっているのかもしれません。

百合が丘という場所が持つ、ゆとりある時間と空間。

そこで育まれる暮らしのかたちは、

これからこの町で暮らす人にとっても、ひとつのヒントになりそうです。

 

 

Photo:写真館じゅんじゅん

 


Cielo Cafe

空の広さと、ゆとりのある暮らしが重なる場所。

この町を訪れたら、ふと立ち寄りたくなる場所のひとつ。営業日や最新情報は、Instagramをご確認ください。

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